2010年9月30日木曜日

合流してからしばらく遅い車

高速道路のICやサービスエリア、ジャンクションから出てきて本線に合流した後、低速走行を続け、しばらくしてから巡航速度に加速する車を見かけることがある。
そうした車に後ろからついていて本線に合流した場合や、本線を走行中に、前方へそうした車が合流してきた場合に、前を遅めの速度で走られるため、やむなく追い越しを強いられるのだが、その後しばらくしてから結局追い越され直すことがある。遅いといっても80km/h程度の速度であり、なんとか追い越しをせず我慢できなくもないが、巻き込まれて減速するよりは横に追い越し車線がある以上、そちらに回避する方を選ぶ。80km/h程度の速度で数分走り続けた後、90km/hや100km/hに徐々に加速して最後には追い越していくのである。それなら合流したときすぐに巡航速度まで加速してもらえれば、お互い追い越さずに済んで余計な手間がかからない話だ。
合流してから巡航速度より遅い速度でしばらく走り続け、その数分後にようやく巡航速度まで加速する。その間にいったい何を待っているのか。
高速道路だけでなく、一般道路でも同様の運転をするドライバーがいる。
目の順応や、エンジンが温まるのを待っているという可能性も考えられるが、それほど高速走行が必要でもない制限速度40km/h程度の一般道路に面したガソリンスタンドから出てくる車ですら、しばらく低速走行をしていたりする。

特に理由がないのであれば、後続の車への影響を考えて、すみやかに巡航速度に加速するのが望ましい。ここでいう巡航速度というのは後続の車が望む速度のことではない。合流してきた車が普通に走る速度のことである。合流してからすぐに普通の速度まで加速すればいいものを、無意味にしばらく普通の速度より遅く走ることはないという意味である。合流先の道路で流れている周囲の速度に合わせろと言っているのではないので勘違いしないでいただきたい。周囲の速度が合流する車にとって速すぎるのであれば、それより遅い速度で走行を続けることは仕方がないことだ。問題は遅い速度でしばらく走行して、少し経ってから速度を上げるのであれば、はじめから最終的な速度まで加速すれば良いという簡単な話である。

理想的な走行パターンでいうと、巡航速度が50km/hだとすれば、アクセル開度をほぼ一定に維持したまま50km/hまで加速し、50km/h直前でアクセルを緩めて50km/hをぴったり維持する。赤信号等で減速するときは、一定の減速度で減速し、停止線の手前の狙った位置にスッと停止する。後続車にとってシンプルで分かりやすく、運転がしやすいはずだ。
だが、加減速中に加減速度を上げたり下げたりすれば、後続の車にとっては脈絡のない加減速に付き合わされたり、そうならないよう加減速を平滑化するために2つ以上前の車の様子も伺いながらコントロールするなど、一手間煩わしさが増えることになる。

2010年9月22日水曜日

想像以上の頭の悪さを想像しておく

立ってトマトを手に持ち、トマトを持った腕を伸ばす。そしてトマトを手から放す。するとトマトは床に落ちる。
当たり前の話である。だが、こうした当たり前のことを、誰でもが分かっていると思い込んでいると、その期待を裏切られることがある。

例えば、自転車が道の左寄りを走行していて、その後ろで原付バイクが左寄りを走行していたとする。そしてさらに後ろであなたが自動車を運転していたとしたら、前を走る原付バイクが自転車を追い越すために右に進路変更してくることは考えるまでもなく当たり前に予測できるだろう。それなら原付バイクが自転車を追い越すために右に出てくるよりもっと大きく右へ避けることで原付バイクと自転車をいっぺんに追い越すこともできる。あまりいいこととは思えないが、それであれば分かっているだけまだましだ。原付バイクが自転車を追い越すために右に進路変更できないような形で原付バイクを追い越そうとしたり、ひどいケースでは、原付バイクが自転車を追い越すために右に進路変更を始めると、まるで原付バイクが右に進路変更する可能性について気づいていなかったかのように驚いて回避しなければならない自動車がいたりする。驚くことに本当に想定していないことがあるのだ。当然、分かりきっていることだと思っていても、気付いていない可能性を想定しておかなければならない。

このようなことはあらゆる状況において起こり得る。
おそらく頭が悪いというよりは、考える習慣がなく、日常的に予測するということが身についていないのだと思われる。その場、その時で行き当たりばったりで行動するような生活をおくっているのであろう。
そうであるから、何ら悪気はないにしても、上記のようなケースで、原付バイクが自転車を追い越そうとしているタイミングに自動車で追い越そうとして、原付バイクが自動車の直前に進路変更するような形になると、まるで原付バイクが危険行為でもしたかのように勘違いすることがある。原付バイクは進路変更するにあたって後方確認をしなければならないというのはそれはそうだが、それでも自動車側であらかじめ進路変更する可能性を想定していれば、いざそうした行動をとられてもなんら驚くことはないはずだ。そして大抵の場合は原付バイクが進路変更する挙動を事前に察知できているだろう。

こうした想像を越えた想像力のないタイプの人は、想像を越えた自己中心的であることが多い。
原付バイクが追い越すことよりも、自らが原付バイクを追い越すことが優先されると考えたりするのである。それは自己利益のためのこじつけの理屈で正当化していることが多い。例えば、自動車と原付バイクの最高速度の違いを持ち出してきて、速度が遅い車両より速度が速い車両が優先されるというような、どこにも存在しない架空の地位制度を創作したりするようなことである。

2010年9月16日木曜日

原付バイクを差別する勘違いドライバー

先日、兵庫県でミニバイクと自動車の事故があり、新聞等で報道された。
バイクがセンターライン寄りを走っていたことに腹をたてた自動車の運転手がいったんバイクを追い抜き、減速して運転席側のドアを開けて、バイクを転倒させ、約1か月のけがを負わせたとされている。
自動車の運転手は故意にぶつけた訳ではないと言っている。

ミニバイクは原動機付自転車のことだと思うが、法定速度は30km/hである。確か道路交通法で左寄りを走るように決められていたように思う。そうでなくても、速度が遅いため左端に寄って走行する方が、自動車に追い越しをさせるためには良いだろう。
ただし、駐車車両等の障害物がある場合や、追い越しをするため、あるいは右折のときに進路変更をする場合があるので、バイクがいつでも左端にぴったり寄って走っていると思い込まないようにしておきたい。

おそらく自動車の立場としてはバイクがセンターライン寄りを走ることで、追い越しがやりくく感じたのだろう。追い越しのためにバイクは左端に寄っておくべきだという固定観念をもっていて、そうでない行動をするバイクに制裁を加えようとしたのだと想像出来る。

以前、私が原付バイクを運転していたときのことだが、後ろにパトカーが現れたので、周囲にいた他の原付バイクが一斉に低速走行になったことがある。それがあまりにも遅すぎたので、それらの遅い原付バイクを追い越しにかかったことがある。追い越すといっても真後ろにパトカーがいるので、速度を一気に上げて抜き去るわけにもいかず、取り締まり対象にならない程度の速度で、ゆっくりと追い越していくことになる。
すると、私の原付バイクの後ろにパトカーがぴったりつけて煽り運転のようなことを始めだし、それでも速度を上げる訳にいかないので、ゆっくりと追い越しを続けるしかなかったことがある。パトカーの運転手からしてみれば、遅い原付バイクをそれより少し速い原付バイクがゆっくりと追い越しているので、道をふさがれて前に出れず、煽り運転をしたのだと思う。
パトカーのこうした行動は、ものごとを理解していない行為であると思うが、しかし、これは先程挙げた事故を起こしたドライバーにも通じる思い込みがあることを表しているように思う。

原動機付自転車の法定速度は30km/hであるから、それより遅い速度、例えば28km/hで走行している何かがあった場合、原動機付自転車は2km/hの差で追い越しをすることになる。速度差が少ないので追い越しを終えるのに時間がかかる。そうした状況で50km/hで走行する車が追いついた場合、当然に30km/hで追い越しをしている原動機付自転車が追い越しを完了するのを後ろでおとなしく待つことになる。二段追い越しをしてはならないし、車間距離も確保しておかなければならないからだ。
原動機付自転車が追い越しを完了したなら、その時はじめて追い越しを実行できる条件が得られる。もちろんそのまま28km/hで走行する何かの後ろを走行し続けることもできるが、30km/hで走行する原動機付自転車も含めさっさと追い越していく方が楽だろう。
しかし、気ぜわしいパトカーのドライバーはじっと構えた運転ができず、前を走る原付自転車に対し煽り運転をしてしまったわけだ。

原動機付自転車は自動車に比較して最高速度が遅い。車両価格も安いし、車体も小さい。免許証も自動車に比較すると簡単に取得できる。
だが、それが追い越しの優先順位や道路交通における地位を決定づけるものだろうか。
自動車を運転する人の中には、原動機付自転車に対し見下げたような意識がある人がいるように思う。
28km/hで走行するなにかを30km/hで走行する原付バイクで追い越せば時間がかかるのは分かりきっている。それを後ろで走る車が見ていたとして、そんなことも分からないのだとしたら、どれだけ想像力がないのかと思える。分かるのであれば、どうすれば良いか分かるはずだ。分かっていれば嫌がらせに煽り運転をすることもできようが、追い越しを完了するのを落ち着いて待つこともできる。

最初に取り上げたドアを開けてミニバイクの運転手にケガをさせるような事故(事件)も、根底にはミニバイクに対する勘違いがあるように思える。下等なバイクは自動車“様”のために左端に寄せて走らなければならないという思い込みがあるのだ。

2010年9月3日金曜日

ETCレーンのバーを破壊

高速道路のETCレーンで、ゲートのバーが折られることがあるらしい。ETCカードの挿入を忘れていたり、有効期限が切れていることに気づかず、正常にバーが上がることを見込んで減速せずに通過しようとするドライバーがいるのだ。
最近はバーが開くタイミングをわざと遅くして、強制的に減速させるように対策されている。

バーが開くのを確認してから通過するのと、減速せずに突っ込むのとで、どれほどの違いがあるというのか。
その僅かな時間を節約するからには、サービスエリアでトイレに行くときは走っていくのだろうか。

ゲートが開くことを見越して、あまり減速せずに通過するということが、手馴れたように見えて、上手に見えると思っているのかもしれない。そして、減速して通過する車は、のろまだと思っているのかもしれない。
機械は故障することがあるし、その機械を操作する人間はもっと間違いをおかしやすい。ゲートが確実に開く保証などどこにもないのだ。バクチを打って突撃している姿は、うわべの格好だけを考えた浅はかな行動にしか見えない。

冷静に考えれば、開いていないゲートに一か八かで突っ込むことと、開いたことを確認して通過することのどちらが賢明であるかは誰でも分かる。だが、現実にはゲートの開くタイミングを遅くして強制されないと、それができない人間がいるのだ。
こうしたことからみても、他の多くの運転マナーの悪いことは、強制されるまで、なくなることがないのだろう。