2010年7月2日金曜日

曲がり角で外側に膨らむ

通常、左折または右折する場合には道路の端に車を寄せてから右左折するが、その時に、曲がる反対側に膨らむ車を見ることがある。
自動車の後輪が前輪より内側をまわることを内輪差というが、それの大きなホイールベースの長い車、バスやトラックが曲がり角を曲がる際には大きく外側に膨らんで曲がらなければならないことがある。しかし、そうした必要のない車も膨らんでいることがある。

曲がるのに外側に膨らんでしまっては、右左折時に道路の端に寄せる意味がない。寄せた後反対側に膨らめば、突然進路変更することに近いことだから、場合によっては危険もある。

膨らんで曲がる原因は、なるべくスピードを殺さずに曲がろうとすることにあるかもしれない。アウトインアウトでコーナリングするようなイメージだ。コーナーに入る前にアウトに膨らませ、コーナーの角に近いところを通り、またアウトに膨らんでコーナーを抜ける。この方法は減速を最小限にすることができる。だが、他の交通や安全性の面はどうか。曲がり角で外側に膨らむことで、たとえば左側に空間ができバイクや自転車が入る余地を作ることにはならないだろうか。後方にいる車やバイクにとって前方の車が外側に膨らむことは運転しやすいのだろうか。
一般道路はサーキットではないので、運転のうまさというのは自分ひとりが速く走ることや、ましてや危険性の高いことではない。
アウトインアウトで走れば、速く曲がれて、外に膨らんだとしても結果的に進路をすばやく開けることができる。だから、後ろの車の障害にならないと考えるかもしれない。そのようになる可能性もあろうが、後ろの車は前の車がすばやく曲がることを予測していないから、ある程度の減速はするだろう。それに危険性のある運転を誰も望まない。仮に腕のあるレースドライバー等が危険性なくアウトインアウトでコーナーを曲がれて、万一危険な場合はそれをいち早く察知し回避できるとしても、後ろの車は前の車のドライバーがそんな巧みなことを知る由もない。それならやっぱり減速するだろう。
もっとも本物のレースドライバーは、サーキットと一般道路の運転が違うことは分かっているから、勘違いしたドライバーのように中途半端な運転ではなく、曲がり角ではしっかり端に寄せ、寄せたまま曲がるという丁寧なコントロールができる。

もう一つの可能性は内輪差を極端に恐れていることが考えられる。特に左折時に左後方の車体を塀に擦ったり、脱輪することを怖がっているかもしれない。
これは運転が下手なのだから、ある意味仕方がない。だが、ちょっとコツを知っていれば確実に曲がることができる。
曲がり角の位置が後輪より後ろになるまで車を前に出してからハンドルを切れば、ぶつかることはない。たとえ車と塀の間隔が1mmしかなく、かつハンドルをいっぱいまできったとしても、車の後輪がコーナーの角より前に出ていれば、絶対にぶつからない。
このことは曲がる先の道路幅が車体の長さ分あれば、外側へ膨らむことなく曲がりきれることも意味している。

曲がり角を曲がるとき外側に膨らむ癖がないか自分自身で試す方法がある。
ハンドルのスポークに指を一本当てて曲がるようにしてみる。スポークの片側からのみ押せる操作方法にするのだ。実際はパワーステアリングでも重いかもしれないので、指一本でなく何本でもいいのだが、ようは一方向にしかハンドルを回せないようにする。これをやって、曲がる直前にハンドルを外側に回したくなるようなら、変な癖がついていると思われる。

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