2010年5月26日水曜日

煽り運転の心理

前方の車に極端に車間距離を詰めて走行している車を見かけることがある。こうした時は煽り運転をしている可能性がある。
後方の車が前方の車に対して、何らかのアプローチをしているのである。

停止して進路を譲ることを求めているのか。
もっと速度をあげることを求めているのか。

前を走行している車は後ろの車との車間距離に余裕がないことが分かっているので迂闊に強いブレーキを踏むわけにはいかない。前の車は要求に応えて速度を上げなければならないのではないかと考えるかもしれない。煽り運転は前を走る車にプレッシャーを与えることとなる。

極端に低速で走行している車は、大抵、他の車に進路を譲るし、制限速度前後で走行している車はそれで問題ないわけである。実際のところ制限速度以上の速度で走行することが常習化していることは認めるし、私自身もムニャムニャ…ということはある。だが、速度違反を他人に押し付けるものではない。

制限速度に従って、あるいは既に制限速度を超えるほどの速さで走行しているにも係わらず、後方からそれ以上の速度で走行することを求めたり、危険な車間距離で運転の障害になるようなことをするのは不合理な話である。違法行為をするのであれば、道を変更して勝手にどこか誰もいないところで好きなようにするか、いっそのこと追い越していけば良いことである。追い越しにはリスクも伴なおうが、違法行為に他人の協力が得られる訳もなく、自分で犯行するよりない。ましてや普通に走行している車に負担をかけるというのでは筋が通らない。
道路交通法の「他の車両に追いつかれた車両の義務」などを持ち出してきても、この法律で違法行為が正当化されるはずもなく、せめて制限速度や車間距離に関する法律を守っているのでもなければ説得力もない。警察車両はゆっくり走っていることが多いが、その場合でもこの法律にもとづいて同じことをするだろうか。

では、煽り運転は頭のおかしい一部の人達がしているのかというと、そうでもないようで、実は普通の人がしていたりする。
もとは、せっかちなドライバーがやり始めたのではないかと思う。そうすると、それを真似する人が出てきて、終いには、それが普通の運転方法であると思い始める。自分がされるので、そうするものなのだと錯覚し、自分も他の車に追いついたら煽り運転するようになっていくのかもしれない。次第に広がり、誤解したドライバーの間で風習化していく。

制限速度で走行する車があったとすると、そこを先頭に長い列になることがある。制限速度を超えて走行している車が大半だから追いついてしまうわけである。このとき制限速度で走行する車は迷惑をかけることをしているのだろうか。邪魔な存在なのか。まあ、状況を考えて、制限速度で走行する車が進路を譲ってもよいとは思う。だが、それは強要するものではない。こうした時、譲る車は譲るし、譲らない車は譲らない。制限速度で走行するという当たり前の正しいことをしているのだから(万一、正しくないとしても、正しいと思ってしているのだから)、それを煽り運転したからといって何も変えられない。煽り運転すれば前の車への抗議になって、これから先、前の車のドライバーは気持ちを入れ替えて行動が変わるなどということはない。

自分が他人から(進路を譲るという)優しさを求める前に自分自身を振り返ってみてはどうか。

煽り運転について、まだ書ききれていないことがあるので、これから先も書いていくつもりである。

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