2010年6月11日金曜日

速度を維持できないドライバー

その場所の制限速度がいくらであるにせよ、現代の自動車であれば、制限速度+20km/h前後で走行する分には速度を維持したまま巡航できる。(このサイトは違法行為を推奨していないので、念のため書いておくが、実際は制限速度を超えてはならない。)ワインディングの急コーナーや直角に近い急なカーブでもなければ、始めから落とす必要のない程度の速度しかでていない。
単なる直線区間はもちろんだが、ちょっとしたカーブでも速度が上下するようなら何かがおかしいと考えて良い。速度が上下するたびに後ろの車との車間距離が変化し、後ろについている車は運転しにくいことこの上ない。

速度を落とすためにフットブレーキを使えばもちろんだが、エンジンブレーキでも、減速するたびに稼いだ速度を捨てることになる。
アクセル開度30%で50km/hを維持しているとして、ここでアクセル開度を29%に落とせば、ゆるやかに減速を始めることになる。この時、エンジンが車を押しているのではなく、エンジンは車輪に対するウェイトにしかならない。車はエンジンの回転抵抗を引きずって走っているわけである。それでいったん48km/hまで速度が落ちた後、再びアクセル開度31%で速度の回復を図れば、今度は車を押し出すために余計に力を使う。
加速で燃料を使い、作り出した速度を今度は車輪がエンジンを回すエネルギーとして捨てる。速度が波状に変化する運転をしていては、燃料を浪費するだけだ。
後ろについている車にしてみたら、そんなことにつきあわされるのは、たまったもんじゃないだろう。

速度を維持できないのはスピードメーターを見ていないことにも原因があるのではないかと思う。
コンマ何キロという微妙な速度を体感で分かるようになればいいだろうが、余程のことでもなければ無理な話である。数秒に一回はスピードメーターをチェックするようにしたい。年配の方であれば動態視力の低下もあって、スピードメーターを頻繁にチェックすることができないかどうか、私には分からないが、比較的暇な巡航中であれば、ほとんどの人は、余裕をもってチェックすることができるはずである。

スピードメーターがアナログ式なら、針と文字盤に書かれた目盛りを完全に一致させるようにする。針が目的の速度の目盛りを行ったり来たりするようでは運転が大雑把ということだ。
指先に力が入るか入らないか程度の微妙さでアクセルを操作しこまめに針の位置を維持する。
目盛りから針の太さ分もずれてしまったなら、速度を合わせ直すには、アクセルコントロールは大きなストロークを要するだろう。そのとき同乗してればエンジンのトーンがたびたび変化するため、雑な運転であることにすぐ気づく。

昔、アクセル操作を10段階だか、100段階だかで操作するという話を言っている人がいた。
アクセルにノッチは付いていないし、あったら邪魔だ。アクセルは段をつけて操作するものではなく、連続的に操作するものである。仮に100段階を想定したとして、ある速度を維持するのに、85段目だと速度が上がりはじめ、84段目だと速度が下がるとき、速度を維持するのにアクセルを85段目と84段目の間で行ったり来たりさせるつもりだろうか。

一般道路での走行というのは、たかだか速度を上げ下げする必要のない程度のものである。一般道路での巧みな運転というのは乱雑な運転ではなく緻密な運転のことなのだ。

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