2010年6月1日火曜日

右折は交差点の中心の内側を回る

「伊予の早曲がり」といわれる交差点での右折方法がある。愛媛県で多いのでこうした名前がついたらしい。
交差点で直進車より早く右折してしまおうと、急発進してショートカットするような右折の方法だ。

右折するときは、もちろん直進車が優先し、交差点の中心の内側を回るのが正しい。
右折専用の車線がある場合はその車線に入り、ない場合にも右端に寄せ、交差点の中心の手前まで前進する。直進車が途切れたなら、右にハンドルを切って右折する。交差点と言っても4方向に分かれるものだけでなく、T字型でも同じである。

交差点の中心まで行かず、青信号に変わる前に停止位置から斜めに発進し、直進車の前を横切って右折するようなやり方は、直進車と右折車の典型的な衝突事故が考えられるが、それ以外にも右折した先の横断歩道での事故や、右折した先の見通しが悪い場合には、そこにいる車両と衝突する危険性がある。純粋に慌てているというだけでも事故のリスクを高める。
こうした車が信号待ちで対向の右折レーンにいる場合、信号が変わる前から前進してくることがある。気づいた直進車は、そうした哀れなドライバーのために、加速を遅らせて進路を与えるだろう。そのお礼に交差する道路から信号の変わり目を猛スピードで飛び出してくる車があれば、見たくもない派手な交通事故ショーを見せられるかもしれない。

センターラインのひかれた道路で、対向車線を横断して右折する場合でも、曲がる先の道路の延長線上のところまで行ってセンターライン寄りに止める。対向車がないこととともに、曲がる先に障害がないことを確認して右折する。ここで曲がる先の道路の延長線上まで行かず、(多くの場合、迫り来る直進車に先だって横切ることをもくろんで)手前から曲がる先目がけて斜め横断すると、曲がった先の道路状況が分からないことがある。こうした交差点では、曲がった先から出てくる車の方で一時停止になっていて、普通のドライバーは一時停止するだろうから、結果的には難を免れられる望みがある。一時停止した車は斜め右折で無理に入ってくる車に対しても慈悲を与え、進路を開けてくれるだろう。ただ、自転車や原付バイクは左寄りを走るので死角から出てくることがある上、車幅が狭いので発見が遅れる。一時停止するかどうかもあやしいので、事故回避は極端に難しくなる。斜め右折で突撃する前には、神に祈ることも忘れてはならないということである。

酷いのになると、正常な右折待ちをする車の後ろから右折する車まである。この場合、直進車が途切れているだろうから、前の車も同じように右折する可能性がある。そうした無茶をする車が後ろにいることを前の車は予測していないだろうし、信号機や対向の直進車の切れ目、曲がる先を確認するのに忙しくて後方の車の心配などしていない。同じ右折先に2台の車が加速しながら突っ込む状況が想像できる。運良く前の右折車が危険を察知できた場合、衝突回避のため、後方から強引に右折する車にやむなく進路を譲り与えることもありえる。

危険な右折をして、図々しくも他人の情けの元で非常識を押し通すのは、さぞかし気分がよかろう。

0 件のコメント:

コメントを投稿